仕事と人
Interview
社員の想い
取引所を支えるシステムを一元管理し、
安定的なシステム運行を実現する。
2017年入社
現在の仕事
ITサービス部は、コロケーションサービスなどシステム利用者向けサービスを提供するクライアントサービスグループと、売買システム、清算システム、情報システムなどJPXのあらゆるシステムを一元管理する運行サービスグループから成ります。私が所属する運行サービスグループは、各種システムが問題なく稼働しているかを常時監視し、システム障害発生時は、IT開発部と協力しながら復旧を行う役割を担っています。自分たちが取引市場を守っているのだという実感や責任感は、大きなやりがいにつながっています。また、AIやRPA等を活用して運用業務の迅速性・正確性を向上させ、より一層安定的なシステム運行を実現するとともに、クラウド等の新規技術の活用に適した運用方法を確立することで、信頼性・効率性・可用性の高いサービス提供に貢献することが求められています。
JPXに入社した理由を教えてください。
私がJPXのことを知ったのは、証券会社のインターンシッププログラムで取引所の見学ツアーが用意されていたからでした。調べてみると、JPXには取引所ならではの業務がたくさんあり、そのどれもが日本の取引市場や日本経済にとって重要な役割を担っていることがわかりました。そのユニークさと社会への貢献性に惹かれ、JPXを志望しました。とりわけJPXでしか経験できない仕事が多いことから、入社してからの多様な働き方が予想できたこと、いつまでも新しいことにチャレンジしていけることに大きな魅力を感じました。
ご自身の仕事はステークスホルダーに対してどのような意義を持つと考えていますか?
取引所はシステム装置産業といっても過言ではありません。よく知られているシステムとしては、現物株式売買システムarrowheadや立会外取引システムToSTNeT、デリバティブ売買システムのJ-GATE、基幹ネットワークであるarrownetなどがありますが、実はそれ以外にも清算系、情報系・社内系を含め、約40ものシステムが取引所の機能を支えています。これらのシステムにもし障害が発生してしまうと、JPXの提供するサービスが停止・低下し、取引市場に少なからぬ影響を与えてしまう可能性があります。私たちがシステムの安定稼働・障害時の早期復旧を支えることで、社会やステークホルダーにおけるJPXサービスの安定利用に貢献するものと考えています。
実際の監視業務はグループ会社の運用ベンダに委託をしており、ITサービス部は日々発生する機器の故障やシステム障害の報告を受け、過去のナレッジを基にした適切な対処方法を指示する司令塔の役割を果たしています。システム障害はその影響度に応じて障害AからDに分類されますが、これだけ巨大なシステムになると、経年劣化によるハードウェア障害など稼働に影響をきたさないDレベルの障害は日々発生します。問題となるのは社外に影響があるCレベル以上のシステム障害で、万一の発生時にはIT開発部と協力しながら早期復旧に全力を注ぎます。
これまででとくに印象に残っている案件はどのようなものでしょうか?
2019年10月の東京商品取引所(TOCOM)との経営統合に伴う、TOCOM商品移管及び清算機関統合対応プロジェクトで、運用受け入れを担当したことです。TOCOMで稼働中のシステムをJPXとして運用するにあたって、システム監視体制からBCP(事業継続計画)の整備に至るまで、さまざまな切り口から協議を重ねました。TOCOMのシステムは既存JPXシステムとは異なるシステム会社を運用ベンダとしているため、新たにドキュメントの変更やエスカレーションのフローを整備する必要もありました。2020年7月にプロジェクトが稼働し、1週間はインシデントに対応するための特別稼働監視体制を敷いていましたが、この期間を無事に終えたときは、胸をなでおろす思いとともに大きな達成感を得ることができました。後日、他部署の方から「本当によくやっていたね」とねぎらいの言葉をいただいて、さまざまな苦労がすべて報われた気持ちになりました。また「将来像検討プロジェクト」を主担当として推進したことも自身の成長につながる経験でした。
「将来像検討」とはどんな内容のプロジェクトでしょう?
文字通り、JPXのサービスを支える「運用の将来像」について検討するプロジェクトです。2018年に行った「ITサービス部がどうあればいいと思うか」に関する社内外関係者の意見を基に、ITサービス部の在り方や考え方を整理し、さらにはIT人材が不足するなか、システム運用のあるべき姿を検討しました。システム開発に関わる企業からもアドバイスをいただき、インシデント対応へのAI導入やリモートオペレーションなどシステム運用の将来像も示し、総合的な提言にまとめました。社内外でこまめに情報連携を行い、複数の関係者と協働でプロジェクトを進めたことで、コミュニケーションの重要性を学び、的確な状況把握や判断能力を習得できたと感じています。
JPXで今後どのように活躍していきたいか、目標を教えてください。
IT技術が日々進化、変革していくなかで、自分の経験や知識だけで対処できることは限られています。さまざまな課題に対応するには、ステークホルダーとのコミュニケーションを大事にし、状況を把握しながら判断、解決することが必要です。私がめざしたいのは、そうした複数のステークホルダーをつなぐハブとして機能できる人材です。私ひとりでは解決できないことでも、スキルや技術、知識を持つ人をつなぐことで大きな力になります。これからのキャリアについてはまだ明確なビジョンがありませんが、まずは誰かが情報収集をしたいときに、とりあえず声をかけてもらえるような、フットワークの軽いフレキシブルな人材になりたいと考えています。自分自身も、周りの方の力をお借りしながら、いろんなことにチャレンジしていきたいです。
Career Step
キャリアステップ
- 2017-1年目
- 市場管理部取引管理室に配属。デリバティブ市場の売買監視や、銘柄メンテナンス・SQ値確定といった市場運営を担当。市場ルールや商品特性など、マーケットの基礎知識を学ぶ。
- 2019-3年目
- ITサービス部に異動。運行サービスグループにて、清算系システムの運用を担当。